| (高橋) |
S.Iさんは新卒で製薬会社に入社され、MRとして2年ほど勤務された後で異業種に転職し、そこから比較的短期間で再度MRへの転職をされたわけですが、前2社での勤続年数が短いことも含めて、決して楽な転職活動ではなかったのではないかと思います。今回の転職にあたって、先ずどのような準備から始められましたか? |
| (S.I) |
先ずは、転職先選びのための情報収集から始めました。情報源はインターネットや雑誌などを参考に企業の色々な情報を集めました。特に、今後の新薬のラインナップや国内での承認申請状況などを調べました。後は、以前のMR時代の知り合いがいる会社に関しては、知り合いから直接社内の状況を聞いたりもしました。 |
| (高橋) |
なるほど。紹介会社の活用に関してはいかがですか。 |
| (S.I) |
紹介会社には何社か登録しました。その中で、電話での対応や、実際に紹介会社の人との面談を通じて、紹介会社を1社に絞り込みました。 |
| (高橋) |
紹介会社の絞込みの際には、どんな点を重視しましたか。 |
| (S.I) |
先ずはレスポンスの早さや情報の多さを重視しました。その上で、担当してくれる人がこちらのニーズに十分対応してくれるかどうかとか、話しやすいかどうか、といった点で選びました。やはり、ホンネでやりとりができる環境と、適切なアドバイスを受けられるということが、特にいったんMRを辞めて再度復帰しようというような場合には、とても重要だと感じました。 |
| (高橋) |
今回は2社に絞って応募されたわけですが、どんな観点からこの2社に絞り込まれたのですか。 |
| (S.I) |
最近は領域別MR制度をとる企業が多くなっていますので、自分がどの領域・薬剤を担当したいかという点を明確にすることで、応募する候補企業は絞られてくると思います。私の場合は、以前の専門領域と同じ領域を志望したため、その領域で魅力的な薬剤を持っている企業に絞り込みました。 |
| (高橋) |
応募先の絞込みができたら実際の応募へと進んでいくわけですが、そうした段階で不安や何か気になることはありましたか。 |
| (S.I) |
私自身の気持ちとしては、MRに戻りたいという気持ちは固まっていましたが、そうした気持ちを書類選考や面接の中でうまく伝えられるかどうかという点は、やはり心配でした。 |
| (高橋) |
そうした不安を解消するために、何か対策のようなことはしましたか? |
| (S.I) |
意識してやったことというと、単に自分の気持ちを一生懸命話すということだけではなく、「第三者に納得してもらえるような伝え方になっているかどうか」という点を強く意識しながら、頭の中で伝え方を整理していきました。 |
| (高橋) |
そうした準備は、実際の面接でも役に立ったと思いますか。 |
| (S.I) |
ええ、そう思います。相手に納得してもらえるかどうか、という点を意識して話を組み立てられるかどうかが、面接を成功させる上でとても大切だと感じました。 |
| (高橋) |
実際に転職活動を進めていく中で、困ったことはありましたか。 |
| (S.I) |
そうですね、面接や選考方法などに関してもいろいろ知りたいことが出てくるわけですが、私の場合はそうした点は全て紹介会社の人に相談して解決していきました。やはり人材紹介会社を通して応募する場合のメリットは、そうした点にもあると思いますので、先ほどの紹介会社選びのポイントには、こうした相談に迅速・的確に答えてくれるかどうか、という点も重要だと思います。 |
| (高橋) |
職務経歴書の作成に関してはいかがですか。職務経歴書の記載で特に意識した点はありましたか。 |
| (S.I) |
先ずは、やはりMRへの復帰に対する思いの強さをアピールすることを意識しました。たとえば、自己PRの中でそうした思いを強く伝えたり、自分が考えるMRという仕事の魅力を書く中でMRに復帰したいという思いの強さをアピールしたりしました。 |
| (高橋) |
他にはいかがですか。 |
| (S.I) |
後は、以前のMRとしての経歴を書く部分で、単に実績を書くだけではなく「どのように工夫しながら活動して実績につなげてきたか」という点を書くことで、他のMRとの差別化を図ることを意識しました。 |
| (高橋) |
なるほど。他には何かありますか。 |
| (S.I) |
そうですね、後は志望動機の部分ですね。志望動機の欄で、応募する企業と他社との製品力の違いや、応募先の企業で自分自身がどんなMRになりたいと思っているかという点を書きました。それによって、自分が応募先企業に対する理解を深めていという点や、入社したら貢献できるという点をアピールしました。 |
| (高橋) |
面接の準備としては、どんな点を重視しましたか。 |
| (S.I) |
面接官がどんな点に関心を持って質問してくるか、ということを考えて準備しました。先ず第一には、当然「MRを辞めた理由は何か、なぜ再度MRに復帰したいのか」といった点に面接官の関心が高いと思いましたので、その点をとことん整理しました。 |
| (高橋) |
この点は、MRへの復帰を考える皆さんにとって共通の第一関門ですよね。この点で、何か意識してやったことはありましたか。 |
| (S.I) |
一つは、紹介会社の担当者の方にアドバイスを受けて、参考にしました。あとは、客観的に納得を得られやすい理由になっているかどうかが重要だと思いましたので、第三者に聞いてもらって、そうした観点でチェックしてもらいました。 |
| (高橋) |
他にはいかがですか。 |
| (S.I) |
他に面接官が関心を持つ主な点としては、応募先の企業に対する志望動機の強さと、MRとしての実力だと思いました。志望動機の強さに関しては、自分がどんな領域や薬剤を担当したいのかを明確にした上で、それを志望動機に重ねあわせることと、事前に応募先企業の製品の特長などを十分調べておくことで入社意欲の高さを伝えられると思います。 |
| (高橋) |
MRとしての実力に関する質問への準備としては、どんなことを意識しましたか。 |
| (S.I) |
職務経歴書のときにも言いましたが、実績だけでなく「どんな工夫をしながら実績をあげてきたか」という点の整理は大事だと思います。後は、特に専門領域MRの場合は知識面も問われると思いますので、私の場合は以前経験した領域でしたので、経験を踏まえた専門性をアピールできる話を整理しておきました。それから、やはり応募先企業の薬剤や競合企業の薬剤の特徴なども調べておきました。こうした点は、未経験の領域のMRに応募する場合でも、疾患の基礎知識や応募先企業の薬剤および競合企業の薬剤の特徴を理解していれば、知識面での評価も得られると思います。 |
| (高橋) |
面接の場では、何か心掛けたことはありましたか。 |
| (S.I) |
特に意識した点は「もう転職はしない。この会社でずっと頑張りたい」という意識を表現するように心掛けました。今までの経歴で、自分に非のある部分はきちんと認めた上で、反省点とこれからの取組みを伝えました。またその点に関しては、後ろ向きな発言にならないように心掛けました。あとは、当然のことですが、全ての面接官に対して、しっかり目を見て自信をもって話すことに気をつけました。 |
| (高橋) |
面接官は「一度MRを辞めて再度復帰する」という点に関しては、やはりかなり気にしていましたか?具体的にはどんな質問をされましたか。 |
| (S.I) |
この点に関する面接官の関心は、やはり非常に高く、質問内容としては「なぜMRに復帰したいのか?」「以前のMRでの仕事状況と退社理由は?」という点に集約されます。私の場合は、MRへの復帰に関しては、とにかく前向きな理由を伝える点を意識しましたし、退社理由に関しては仕事が嫌だったわけでも会社内で何かトラブルがあったわけでもありませんでしたので、そうした点を伝えました。退職理由に関しては、こうした対応で問題無いように感じました。 |
| (高橋) |
今回は第一志望の企業に入社できたわけですが、成功要因をまとめるとどんな点があげられますか。 |
| (S.I) |
そうですね、応募先企業の取扱製品および対象疾患の理解を深めていたことと、意欲と情熱を持って面接に臨むことができたこと、それに学術面と人間性の両面での自分自身の魅力を時間内にアピールできたことが主な成功要因だと思います |
| (高橋) |
最後に、同じようなキャリアで再度MRへの復帰を目指している方々へのアドバイスがありましたらお願いします。 |
| (S.I) |
私の例を見ていただいて、いったんMRから異業種に転職しても再度MRへと復帰することは可能である、ということをわかっていただければと思います。MRも質が問われる時代ですので、質の高いMRが各社とも不足していることは、皆さんも想像に難く無いと思います。そう考えれば、どんな経歴であっても、希望する企業に対して自分自身を「欲しい人材である」と思わせることができれば、必ず良い結果が得られます。学術面と人間性のバランスを、うまくアピールできるように事前準備をしていただければと思います。 |
| (高橋) |
ありがとうございました。新しい職場でも頑張ってください。 |