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私の転職体験記

S.U さん (聞き手)
ワイアットラクト(株)
代表 高橋俊夫

ジェネリックメーカーから第一志望のメガファーマへの転職に成功したS.Uさん

新薬メーカーには「ジェネリックとは売り方が違う」という理由で厳しい見方をする採用担当者も少なくない中で、第一志望のメガファーマへの転職を果たしたS.Uさんにお話をお聞きします。

(高橋) 転職にあたってどんな準備から始められましたか?
(S.U) 先ずは各社の情報収集から始めましたが、我々ジェネリックメーカーのMRは、なかなか先発品メーカーの人たちから各企業の情報を得る機会が少ないので、各社の“生の情報”を得るのには少し苦労しました。
(高橋) そうした情報はどうやって入社されたのですか。
(S.U) 担当施設の事務長さんから教えてもらったりしました。後は、御社の個別説明会で教えてもらった情報などを参考にしました。
(高橋) では、情報収集面だけでなく実際に面接を受けられてみて、ジェネリックメーカーは不利だと感じたことは何かありましたか。
(S.U) やはり学術的な活動に関する部分は不利だと感じました。面接では各社とも、「どのような形で学術情報を提供してきたか」とか、「どこから情報を収集していたか」といった質問がされましたが、我々の場合は先発品メーカーのように製品に関するエビデンス情報がほとんどありませんので、こうした質問に答えるのは難しかったです。
(高橋) でもS.Uさんはご希望の会社に合格されましたよね。その会社の面接では、どう答えられたのですか。
(S.U) この点は正直に「力不足だと感じている」と伝えました。その上で、「エビデンス情報を活用できる会社に移ることができたら、学術的な情報提供でドクターの信頼を得る自信はある」ということもしっかり伝えました。
(高橋) そうしたS.Uさんの言葉に面接官が期待してくれて、合格につながったんだと思いますが、面接官が期待を持ってくれた理由はどのへんにあると思いますか。
(S.U) 自分が「努力して目的を達成できる人間である」ということを信じてもらえたからだと思います。そのために、自分がどんなふうに成果をあげてきたかを伝えました。計画を立てて、自分で考えて行動しながら障害を乗り越えて成果を出してきたということを、例をあげて話しました。こうした話によって、私の意気込みを信じてもらえたのではないかと思います。
(高橋) なるほど。他に面接で意識したことはありますか。
(S.U) 学術面という弱点があるので、それを補える“強み”をアピールしようと考えました。
(高橋) 具体的にはどんな点をアピールされたんですか?
(S.U) やはり我々は学術知識で勝負できない分、「営業力」でそれをカバーしてきたと自負しています。この点は、自分の強みだと思いましたので、この点を意識してアピールしました。
(高橋) そうした対応でご希望の先発品メーカーに合格されたわけですが、一方で面接を通過できなかった会社もありましたね。その会社では、なぜうまくいかなかったと思いますか。
(S.U) そのメーカーは、かなり学術的な活動を重視していましたので、他の部分で強みをアピールしても、学術面の弱みを補いきれなかったのだと思います。会社が求めているものと、私との間のギャップが大き過ぎたのが敗因だったと思います。
(高橋) なるほど、やはり各社の特徴を踏まえて応募先を選ぶということも必要かもしれませんね。
他に今回の転職活動を通じて、何か感じたことや気付いた点はありますか。
(S.U) 会社を辞めるのに、こんなにエネルギーが必要になるとは思いませんでした。
(高橋) それは会社の引き止めを振り切るのがたいへんだったということですか?
(S.U) ええ。会社からは、所属変えの話も含めて、強く慰留の説得をされましたので、それに対して自分の意思をきちんと伝えて理解してもらうのは、本当に難しいことだと感じました。
(高橋) そうした点も含めて、最後に、ジェネリックメーカーからの転職を考えている方々に、何かアドバイスがありましたらお願いします。
(S.U) そうですね、やはり転職活動をする前に“何故転職したいのか”という点を十分考えておくことが重要だと思います。先発品メーカーへの漠然とした憧れや、泥臭い営業活動がイヤだといった理由で先発品メーカーへの転職を考えているという人も多いのではないかと思いますが、面接では転職理由はかなり突っ込んで聞かれます。私の場合も、「ジェネリックメーカーはこれから伸びていくところなのに、なぜこの時期に転職しようと思うのか」といった質問が、どの会社でもされました。こうした質問に納得性のある返答ができないと、面接での評価にかなり影響すると感じました。それに、先ほど言いました会社を辞める際にも、しっかりと転職理由を考えているかどうかは重要になると思います。
あともう一つは、“自分のどこが一番高く売れるのか”という点をはっきりと確認しておくことも大事だと思います。そのためには人材紹介会社のキャリアコンサルタントの方に、自分の強みを客観的に分析してもらうのも参考になると思います。
(高橋) ありがとうございました。新しい職場でも頑張って下さい。

<インタビュー後記>
最近は、弊社でもジェネリックメーカーの方から転職のご相談を受けるケースが増えてきました。
新薬メーカー各社とも「ジェネリックの経験が長いとそのやり方が染み付いているので採用は難しい。一方、経験1〜2年では自分なりの強みが身についていない場合が多いので、やはり採用するのは難しい」といった意見が多く聞かれます。従って、ジェネリックメーカーからの転職は、MR経験3〜4年、というかなりピンポイントの時期でないと難しいという状況にあります。
しかも、そうした「転職適齢期」でも、「新薬メーカーとの訴求方法の違い」というハンディを乗り越えなければなりません。そこでの一つの成功要因は、今回のS.Uさんに見られるように「弱点は克服できる」という可能性を、根拠を示しながら面接官に伝えることと、日頃から「自分の得意技」を磨くことだと言えます。


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