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私の転職体験記

Y.W さん (聞き手)
ワイアットラクト(株)
代表 高橋俊夫

新卒入社1年半で志望メーカーへの転職に成功したY.Wさん

新卒入社2〜3年目で転職しようという方も増えてきていますが、そうした経験の浅い方の転職は決して簡単ではなく、中にはMRとしての再就職を諦めて異業種に転職していく方も見られます。そうした中で、今回は経験年数の短かさを乗り越えて志望メーカーに転職を果たしたY.Wさんにお話をお聞きします。

(高橋) Y.Wさんは入社1年半弱で転職されたわけですが、まずは転職を考えた理由から教えていただけますか。
(S.U) 一言でいうと、このままでは自分はMRとして成長できないのではないかという不安が、一番の理由でした。
(高橋) その点は若いMRの方の転職理由としてよく聞く理由ですが、そうした理由に対しては「成長は自分の意識次第では?」という考え方をする面接官の方も多いのではないかと思うのですが、その点はいかがでしたか。
(S.U) その点は、私の置かれている環境を具体的にお話することで、ある程度理解してもらえたのではないかと思います。それに、短い経験の中でも自分なりに勉強して他社製品を含めた薬剤の知識だけでなく疾患の知識なども同僚のMRよりも高めてきたことを、これもやはり具体的にお話することで、成長したいという気持ちが本当だということをわかっていただけたように思います。
(高橋) なるほど。‘成長したい’と言うだけでなく、その気持ちが本当だということを裏付ける「エビデンス」が重要だということですね。
(S.U) そうだと思います。
(高橋) ところでY.Wさんは、転職にあたってどんな準備から始められましたか?
(S.U) 各社のホームページで応募基準を見ると、経験3年以上などといった会社が多かったので、経験年数から見て直接応募しても書類選考を通過するのは難しいと思いました。そのため、まずは情報収集も兼ねて人材紹介会社に登録するところから始めました。
(高橋) 紹介会社は何社くらい登録されたのですか。
(S.U) 大手紹介会社も含めて、けっこう何社も登録しましたが、その中で結局はMR専門のところに絞りました。大手の紹介会社からはその後もかなりしつこく連絡はありましたが・・。
(高橋) そうした中で、どんな準備をしていったのですか。
(S.U) 経験の短さを逆にプラスにできないか考えました。それと、御社のキャリアコンサルタントの方にこれまでの活動内容などを聞いていただいて、自分のアピールポイントを整理していきました。
(高橋) 経験の短さをプラスにするというのは、たとえばどういう点ですか。
(S.U) 若さによるフットワークの良さとか、成長したいという熱意などはアピールできるのではないかと考えました。
(高橋) そうした点は職務経歴書などにも反映させたのですか。
(S.U) 職務経歴書では、実績や活動内容だけでなく、転職理由や志望動機に関連づけて、そうした点をアピールしました。
(高橋) 面接に向けては、どんな準備をされましたか。
(S.U) やはり勤務年数が短いと、どうしても‘次もまた短期間で転職してしまうのでは’と思われてしまうのが心配でした。そのため、転職理由の説明と共に、志望動機の強さを理解してもらえる方法を考えました。具体的には、その会社の製品や、対象となる疾患などについてかなり調べましたね。
(高橋) そうした準備は、実際の面接でも効果があったと感じましたか。
(S.U) そうですね、手ごたえを感じました。
(高橋) 他にはいかがですか。
(S.U) あとは、自分の強みや特徴をなるべく具体的に話すように心掛けました。経験が長ければいろいろ数字で実績をあげて自分をアピールすることもできると思いますが、経験が1年ちょっとしかないと、実績を伝えても1年だけの実績ではやはり弱いと思いました。そのため、代わりに行動面をアピールしようと考えました。
(高橋) やはり経験年数の短さはハンディだと実感されましたか。
(S.U) ええ、面接でもそう感じる質問や面接官の反応は多かったですね。
(高橋) そうしたハンディを負いながらも、志望のメーカーさんへの転職が決まったわけですが、成功要因は何だったと思いますか。
(S.U) やはり、転職理由でもある「成長したい」という気持ちを、根拠をあげて伝えられた点が大きかったと思います。それに「本当に入りたいんだ」という気持ちも、同じように根拠になるような話をすることで信じてもらえたのではないかと思います。
(高橋) 今回の転職で「やっておいてよかった!」と思ったことはありますか。
(S.U) やはり、相手の会社のことを十分調べるということですかね。それも、単に製品名とかだけではなく、疾患のこととか、治療方法とかまで突っ込んで調べたのは、自分の志望動機の強さをわかってもらうという意味で、「やっておいてよかったなぁ〜」と思いましたね。
(高橋) そうした内容はどうやって調べたのですか。
(S.U) インターネットの検索で全て調べることができました。
(高橋) 最後に、短い経験年数で転職を考えている人たちに、何かアドバイスがありましたらお願いします。
(S.U) 私自身、転職活動を始めてから「経験年数が短いと、こんなにたいへんなんだ!」ということを実感しましたので、まずは覚悟をもって真剣に準備することが大事だと思いますね。
具体的には、納得性のある転職理由だとか、志望動機の強さといったことを、自分のコトバでちゃんと熱意を持って伝えられるようにすることが必要だと思います。
あとは、自分がアピールしようとする点を信じてもらうために、根拠となるような具体的な話をしていくことも重要だと思いますね。
(高橋) ありがとうございました。新しい職場でも頑張って下さい。

<インタビュー後記>
最近は国内での業界再編の流れを背景に、特に内資系メーカーの若手MRの方を中心にして新卒入社後2年目〜3年目位で転職に踏み切る方も目立つようになってきました。入社後の研修期間を除くと、実質的にはMR経験1年〜2年という状況ですので、高い計画達成率をあげているような場合でも、なかなか実力の表れとは判断してもらえない場合も多いようです。しかも選考では、もっとMR経験が豊富で、アピールできる実績も多い応募者と同じ土俵で戦わなくてはならないため、転職に関しては明らかにハンディがあると言えます。
そうした中で今回のY.Mさんのケースは、「ポテンシャル」を効果的にアピールできれば、実績豊富な応募者にも勝てるということを示した例だと言えます。
経験が短い場合は、これからの「成長性」で勝負せざるをえません。Y.Wさんの場合は、それを「成長意欲の強さ」と「志望動機の強さ」で訴えたわけです。面接官はおそらく「成長したいという気持ちは人一倍強いことはわかったし、うちの会社にこれだけ入りたがっているのだから、入社したらかなり伸びるに違いない」と判断して採用に至ったのだと考えられます。
こうした印象を面接官に与えられたポイントは、Y.Wさんも言っているように、熱意をもってそうした点をアピールすると共に、自分の主張を信じてもらえるための「根拠」となる具体的な話を併せて伝えていった点にあると言えます。ドクターも面接官も、信じてもらうには「エビデンス」が重要だということですね。


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