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私の転職体験記

M.A さん
外資系 → 外資系
34才、はじめての転職
(聞き手)
ワイアットラクト(株)
代表 高橋俊夫

30代半ばでのキャリアアップ転職成功のポイントとは?

今回は、グロ−バルで20位以内にランクされる外資系メーカーに新卒で入社し、10年以上勤務して、しかも高い成果を上げていながら、将来的な不安を覚えてキャリアアップに挑んだM.Aさん(34才)にお話をお聞きします。

(高橋) M.Aさんは新卒入社後30代半ばまでずっと今の会社(※転職前の会社)に勤務してきて、会社の規模も大きく、M.Aさんご自身もかなり高い成果を上げていながら転職を決意されたわけですが、そのあたりの理由から教えていただけますか。
(M.A) 確かに会社としてはそれなりの規模がありますが、今後の製薬業界の淘汰・再編の中では製品構成など「中身」が重要だと思います。そういう意味では、今の会社は長期収載医薬品の比率が高く、将来の収益構造に以前から疑問を感じていました。また、2003年4月の特定機能病院における包括化の導入と国立病院でのGE薬剤の新規採用及び使用推進の流れを考えると、将来性にはかなり不安を感ぜざるを得ません。さらに今の会社には、今後のMRとしてのキャリア形成に不可欠な慢性疾患を中心としたメジャーな医薬品が無いことも、転職を決意した大きな理由です。
(高橋) なるほど、転職理由はかなり整理された上で転職を決意されたという感じですね。一方で、新卒で入社以来10年以上勤務してこられたわけですし、34歳で初めての転職ということも含めて、不安や懸念された点はありましたか。
(M.A) 確かに、10年間勤続した中で培った社内人脈という財産を、転職によって捨ててしまうことに大きな迷いを感じました。また、34歳という年齢で全く異なる企業文化に触れる不安と入社後即戦力として活躍しなければならないプレッシャーに対して思い悩み葛藤しましたが、今回の転職が今後のMR活動を行う上で必要不可欠なキャリア形成に繋がると考え最終的に決断しました。
(高橋) 転職のタイミングとして「いつ頃までに」といったことは決めていましたか。また、決めていたのでしたら、その時期を選んだのは何か理由がありましたか。
(M.A) 遅くとも、2003年3月までには転職しようと考えました。医療包括化及び医療財政の圧縮に関する情報収集と分析をした結果、2004年4月の診療報酬改正までには、新しい会社に移っていたかったというのがその理由です。また、今後10年間の新薬パイプラインを改めて分析し、販売減少を補う新薬も乏しいという判断も、早めの転職を考えた大きな理由です。
(高橋) そのタイミングに向けて、転職活動を開始したのはいつ頃ですか。
(M.A) 2003年10月から転職活動を開始しました。実際に転職先を決めたのが、2004年1月下旬でしたから、転職活動は4ヶ月程度だったことになります。
(高橋) 転職活動は、準備も含めて、どんなことから始めましたか。
(M.A) 先ずは医薬業界の転職エージェントに関しての情報収集をし、コンテンツの内容を吟味して数社を選びました。
(高橋) 職務経歴書作成で特に意識したことはありましたか。
(M.A) WEBからサンプルを複数集めて研究しました。また、業務成果は数値で表しました。
(高橋) 転職先は、どのようにして絞り込みましたか。
(M.A) 医薬品メーカーの売り上げランキングや前年比成長率の資料から、今後日本市場において継続的に新薬を上市し、かつ効果的な普及と処方促進が可能な将来性のある企業を選択しました。
(高橋) 面接対策に関してはいかがですか。何か特に準備したことはありますか。
(M.A) 書類選考に合格した企業に関しては、Webで企業情報を収集したり、投資家向けのアニュアルレポートを読んで面接対策に活用しました。
(高橋) 実際に転職活動を始めてみて、思っていたのと違ったことや思うようにいかなかったことはありましたか。もしあれば、それに対して何か対処したことなどはありますか。
(M.A) 最初は過去の成功体験を基に、販売スキルを面接でアピールしていました。しかし、34歳という年齢のせいかもしれませんが、面接官からは「管理職としての適性」に関して質問されるケースが多くありました。そのため、途中からは過去10年のMRとしてのキャリアをマネジメントにどのように活かしていくか、という形に自己アピールのポイントを変えました。また、面接時に転職理由を問われる場面では、自分の気持ちを正直に表現する事も大切ですが、外資系・内資系それぞれ企業文化があり、ある程度は相手の企業文化を理解した上で転職理由を述べるテクニックも必要なのではないかと思います。
(高橋) 転職活動で一番欲しかった情報はどんなことですか。
(M.A) 面接時に先方からどんな質問がされるかといった情報や、企業が求める人物像の情報が欲しかったです。また、過去に合格されたMRの方の経歴や人物像の情報、それに転職後の職場情報なども欲しい情報でした。
(高橋) 最終的に転職先企業を決めるにあたって重視した点はどこですか。
(M.A) いくつかありますが、最も重視したのは「市場性が有望な新薬を継続的に上市できる実力を有しているか?」という点です。人事的な面では「教育制度の充実度」「成果に対する絶対的な評価の指標の有無」「中途採用者が一定数在籍しているか」といった点も重視しましたし、やはり前職と比較して賃金アップが可能か、という点も気になりました。後は業務に関しては、担当エリア内に事業所を有しているかという点や、広域卸に対しての影響力は強いか、といった点も判断材料にしました。
(高橋) 最後に、転職を考えている人に何かアドバイスがありましたらお願いします。
(M.A) 転職では情報収集が最も大切だと思います。そうした情報をふまえた上で、明確な志望理由を誰もが納得する内容で文章化することをお勧めします。
事前準備としては、職経歴書や履歴書、想定面接問答集は転職エージェントから客観的な評価を受けて作成し、履歴書等の書類は応募先に送る前に必ず内容を確認した方が良いと思います。また、希望給与額に関しては、前職給与+αで記載した方が良いと思います。給与はいくらでもいい、と言うと「向上心が無い」と判断される場合もありますので。
面接に当たっては、プレゼンテーションと同様に、項目別に文章化して、それを声に出して反復練習した方が良いと思います。それから、質問に対しては何事も出来るだけ正確な数値で返答することも大事だと感じました。特に、自社の主要医薬品の販売構成比率やMR人数、売り上げ規模などは暗記しておいた方が良いと思います。熱意だけでは転職は成功しません。綿密な理論構築が必要です。また、自分の年齢に応じた自己アピールを心がけるという点も重要だと思います。ある一定年齢以上であれば“売れて当たり前”ですから、その他の付加価値が必要になります。あと、もし外資系を中心とした「合併企業」の面接を受けるときには、イニシアチブを持つ企業側の論理に立って、理論構築をした方が良いと思います。
他には、日頃から健康診断結果、源泉徴収表、賞与明細、給与明細はすぐに用意できるように一括保管しておいた方が良いと思います。面接時に持参するように求められる場合もありますから。また、会社によっては私有車を営業用に使う場合もあるので事前に情報を集めておいた方が後であわてずにすみます。最後に、健康でなければ合格しません。健康診断の受診結果が出たときにあわてないで済むように、日頃から食生活に注意し、自分の健康状態を確認しておくことも大切だと思います。
(高橋) たいへん丁寧なアドバイスをありがとうございました。新しい職場でも頑張って下さい。

<インタビュー後記>
M.Aさんの転職活動は、首尾一貫して「用意周到」でした。30代の中盤での転職になると、採用する企業側も慎重になります。この年代での転職の場合、採用する企業側は「管理職候補」という観点で判断する場合がほとんどです。また、「なぜ今の会社ではだめなのか。転職理由はホンネのところで何なのか」といった点は、かなり突っ込んで質問してきます。そうした面接の際に、準備不足だと、どうしても説得力が弱くなりがちです。そうした点が原因で面接が不合格となるケースもたいへん多いのが30代での転職の特徴です。事前準備は年齢などに関係無く必要ですが、特に30代で転職を成功させるためには「用意周到」というのが、重要なキーワードであると言えます。


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