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私の転職体験記

Y.T さん
専門領域MR→別の領域の専門MR
31才
(聞き手)
ワイアットラクト(株)
代表 高橋俊夫

7年間経験した専門領域から、全く別の専門領域MRに転職した理由は?

今回は、専門領域MRから「別の領域の専門MR」として転職した31歳の男性Y.Tさんにお話をお聞きします。

(高橋) Y.Tさんは、これまで専門領域MRとして十分なキャリアを積んでこられながら、今回は全く異なる領域の専門MRとして転職されたわけですが、先ずはそのへんの転職理由から教えていただけますか。
(Y.T) 転職の理由はいくつかありますが、今までとは異なる専門領域にチャレンジしようと思った理由としては、これまで取り組んできた領域では製品面で限界を感じた、という点が大きいと思います。
(高橋) 限界と言いますと?
(Y.T) これまでの領域では、今後「画期的な製品」が出る可能性が感じられなかった、ということですね。
(高橋) なるほど。ただ、これまで7年間位、専門領域MRとして活躍してこられており、その間に蓄積してきた専門性やドクターとの関係などが、専門領域を変えることで全てゼロからの再スタートになってしまいますよね。その点についての迷いとか、ためらいとかいうことは無かったんですか?
(Y.T) もちろんありました。
これまで築き上げてきたものを失ってまでも転職する必要があるのか?とか、今後、もしかしたら、自分の予想以上の画期的な新薬が出るかもしれないとか、近々新薬も出そうだしもう2〜3年ガマンしてみようか、とか。そもそも、これまでの領域でのMR活動自体は好きでしたし、やりがいを感じていましたから。
(高橋) それでも転職に踏み切ったのは、何か決定的な理由のようなものがあったんですか?
(Y.T) そうですね、決定的な理由があったと言うよりは、色々な理由が重なって転職に踏み切ったということだと思います。
(高橋) 一つは先ほどお聞きした「製品面での限界感」ですよね。
(Y.T) ええ。あとは「将来的なキャリアを描きにくい環境だった」ということも上げられます。これまでの会社の人材登用の実態から見て、これから先、順調にMRとして成果を上げていっても、マネジメントのポストにつける可能性があまり考えられないという状況があり、将来のキャリアに漠然とした不安がありましたね。
(高橋) 他には何か?
(Y.T) やはり年齢的な面もありました。今は31歳ですので転職自体としては、そんなにあせる年齢ではないとは思いましたが、新しい領域でやるのであればゼロからの再スタートですから、やはり早めに移った方がいいと思いました。それに「あの時転職していれば・・・」と後悔するよりは、後ろを振り返っても何も見えないくらい突っ走ってしまった方がいい、今ならそれができる、とも思いました。
(高橋) ご家族の反応はいかがでした?
(Y.T) 家内は大賛成してくれました。
(高橋) それは心強いですね。やはり奥さんのそうした反応は、転職に踏み切る後押しになりましたか?
(Y.T) すごくなりましたね。家内に「転職を考えている」と話したとき、「なんだか最近、仕事がつまらなそうだったもん」と言われてしまいました。自分の気持ちを伝えて、それが前向きな理由だったので、「じゃぁ、転職した方がいいんじゃない」と。話す前は、どんな反応が返ってくるかけっこう不安だったんですが、あまりにあっさり賛成してくれたんで、なんだか拍子抜けという感じで・・・。
(高橋) なんだか、奥さんの一言が決定的な要因だったような・・・。
(Y.T) いやいや、そういうわけでは(笑)。でも、大きな後押しになったのは確かですね。
(高橋) 話は少し前後しますが、今回転職された会社と専門領域には、以前から興味をお持ちだったんですか。
(Y.T) そうですね、元を辿れば「MR職に就きたい」と思ったきっかけと理想が、今の領域でこそ携われる仕事そのものだったからです。それが約10年MRとしていろいろ見て経験してこそ出てきた「やりたいこと」と、結局は頭のどこかで重なっていたんだと思います。
(高橋) そうすると、以前から転職先として考えていた企業だったと。
(Y.T) 実は、先ほど申し上げたような将来的なキャリアや製品面での不安というのは、確かに感じてはいましたが、どちらかというとどこの会社でも起こりうる「漠然とした不安」といった感じでしたし、今の会社に対する興味も単なる「興味」という程度のものでしたので、転職ということを現実的に考えたことは正直言って極く最近までありませんでした。
(高橋) では、転職を現実的に考えるようになったきっかけは?
(Y.T) キャリアコンサルタントの方とお話をしたのが一番のきっかけですね。1時間くらいかけて、私のこれまでのMR活動をじっくり聞いてもらって、特徴とか強みを分析してもらいましたが、そうした自分のMRとしての特徴が、領域は全然違うけど、自分が興味を持っていた領域・会社で求められるMR像にすごく似ていることがわかったんです。正直、驚きでした。それまでの「興味」が、一気に「転職先候補」へと変わったという感じですね。一連のお話を通じて、自分では気付いているようで気付いていない引き出しをどんどん開けて頂いたこと自体が、後に私の大きな自信となったのは確かです。
(高橋) なるほど。そこから、先ほどお聞きした奥さんとのやりとりに続くわけですね?
(Y.T) そうです。
(高橋) 転職先が決まったら、今度は書類審査や面接に向けての準備ということになるわけですが、具体的にはどんな準備をされましたか。
(Y.T) 先ずは応募用の書類作成ですが、職務経歴書はすぐに書けました。ただ、いろんな要因が重なっていたせいもあり、志望動機と退職理由がなかなかすっきり書けませんでした。ホンネとタテマエをどう使い分けて書こうか、ずいぶん迷いました。結局、1ヶ月位は迷いながら書き直していましたね。でも、最終的には変にカッコつけずに自分の気持ちをそのまま書くことにしました。
(高橋) 退職理由と志望動機は、どの会社でも必ず聞かれますし、キャリア採用の場合は各社ともかなり重視する点ですので、確かに迷うところですよね。
(Y.T) でも、結果的に1ヶ月近く迷ったために、自分の中で退職理由と志望動機は十分納得できるところまで整理できましたし、志望動機もより明確になりました。その結果、面接でどんな聞かれ方をされても、自信を持って答えることができたと思います。
(高橋) 迷ったことが、かえってよかったということですね。
(Y.T) やはり、真剣に考えたことで自信を持てたことが良かったんだと思います。
(高橋) 面接の準備としてはどんなことをしましたか。
(Y.T) キャリアコンサルタントの方からフィードバックしてもらった自分の特徴や強みを参考にしながら、これまでの自分のMR活動を整理しました。他には特別なことはしませんでしたが、改めて自分の特徴などを意識しながら具体的な活動内容を整理してみるだけで、ずいぶん面接での受け答えには役立ったと思います。「自分が何をしてきたか」、「こんな時どうしたか」、というようなことは何度も何度も見つめ直しました。自分のことを自分で振り返るというのは簡単なようで案外難しかったです。
(高橋) では最後に、転職を考えている方に何かアドバイスがありましたらお願いします。
(Y.T) そうですね、一言で言うと「やりたいことが無いなら、転職を急ぐ必要は無い」ということだと思います。現状に不満があって、それが一番の理由で転職するというのは、うまくいかないように思います。それを上回るものがないと、きっと悪循環に陥る気がします。きれい事かもしれませんが、「その会社で何がやりたい」ということが自分の中でホンネとして明確にできていないと、面接官を納得させることは難しいと思います。もちろん「志望動機の強さ」だけで採用されるわけではなく、それに加えて実績やMRとしての強みといったものをきちんと伝えられないと面接は通過できないと思いますが、やはり「転職理由/志望動機」は応募の『前提条件』として、先ずは通過しなければならないハードルだと思いますし、そのことをきちんと真剣に考えること、自信を持って胸を張って答えられることは、面接対策だけでなく、「転職を成功させる」ためにも、不可欠のことだと思います。面接官ではなく、自分自身が納得できることが最も大切ですね。
(高橋) どうもありがとうございました。新しい職場でも頑張って下さい。

<インタビュー後記>
今回のインタビューで改めて感じたのは「知識」よりも「MR活動の質」が重要であるということです。製薬業界では「コンピテンシー」という考え方が広く浸透しており、採用面接でも内資・外資を問わず、多くの企業で「どんなやり方で成果をあげてきたか」という点を面接官は具体的に確認してきます。そうした「成果をあげる上での強み・特長(=コンピテンシー)」を、「自分のこれまでの具体的な行動」という根拠を伴って説明できないと、各社とも面接を通過するのは難しい状況なってきています。Y.Tさんのお話から、特定の領域での「経験・知識」よりも、コンピテンシーを重視して選考をする、という傾向がさらに強くなってきていることがうかがえます。
ご自身のコンピテンシーを整理することは、単に転職に役立つだけでなく、ご自身のMRとしての強みやスタイルを確立する上でもとても参考になりますので、皆さんもぜひ「コンピテンシーの棚卸し」をやってみることをオススメします。


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