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私の転職体験記

M.S さん
→内資系中堅メーカーMR
(聞き手)
ワイアットラクト(株)
代表 高橋俊夫

大企業を避けて、あえて内資系中堅メーカーを選んだ理由とは

今回は、変動する医薬品業界で、あえて安定性の高い大企業ではなく内資系の中堅メーカーを選んだM.Sさんのお話をお聞きしながら、転職先を選ぶ判断基準について考えてみたいと思います。

(高橋) M.Sさんは今回、はじめから転職候補先としては大企業をはずして検討してこられたわけですが、改めてその理由からお聞かせいただけますでしょうか。
(M.S) 一言でいうと、自分で考え、企画しながら仕事をやっていけるような、そういう裁量を与えてくれる会社で働きたい、と思ったからです。
(高橋) そういう点を一番の判断基準にされたのは何故ですか。
(M.S) そうですね、これまでもそういう環境で仕事をしてきたのですが、会社の知名度も低く、製品力も弱い中で、自分でやり方を考え工夫しながら成果を出していくという点に、仕事の面白さを感じていたということが、今回の転職でもそうした環境を一番の判断基準にした理由だと思います。
(高橋) これまでの会社がそうした環境だったのに転職をしようと考えたのは?
(M.S) 退職者が相次ぐなどして担当エリアも非常に広くなり、業務的に負担が大きくなりすぎてしまい、さすがに「仕事の面白さ」よりも、「仕事の負荷」の方が深刻になってきてしまったというのが転職理由です。
(高橋) なるほど。ただ、医薬品業界はグローバルで大きな合併も起きており、国内でも今後生き残っていけるメーカーは限られてしまうという見方もありますが、そうした中で「やりがい」を求めて、あえて内資の中堅メーカーを転職先として選ぶことについてリスクは感じませんでしたか。
(M.S) その点については、先ほど言われましたように、今やメガファーマでも買収されてしまう時代ですので、大企業だからといって必ずしも安定性があるとは言えないのではないかと思います。
(高橋) なるほど。
(M.S) 企業としての安定性という意味では、規模の大小よりも、むしろ「明確な強みを持っているかかどうか」という点が重要だと思います。
(高橋) 確かに今回選んだメーカーさんは、非常に明確な強みを持っていますよね。明確な強みを持った企業であれば、日本の医薬品業界がたとえ本格的な業界再編・淘汰の時代になっても、どこかの企業と合併することはあっても、生き残っていけると。
(M.S) そう思います。さらに言えば、本格的な業界再編・淘汰の時代になった場合、問題は「どの会社が生き残れるか」ということよりも、「どういうMRが生き残れるか」という点が重要なのだと思います。
(高橋) 確かにそうかもしれませんね。そういう意味で「自分で考え、工夫して成果を出していく」ことのできる環境の方が、MRとしての実力も高めていけるので、結局はMRとして生き残っていける可能性が高くなる、ということになるわけですね。
(M.S) もちろん大企業の中でも、優秀なMRの方はたくさんいると思います。ただ、私の場合は、これまでも大企業でのMR経験がありませんので、今回の転職で大企業に入ってしまうと、これまでの自分のやり方ができなくなってしまうおそれがあるように思えたので、それが私にとってはリスクに感じられたということだと思います。
(高橋) 大企業であれば、製品力やグローバルに活用できる情報や社内人脈などをうまく活用することで高い成果につなげていく力を養うことができるかもしれませんし、一方で製品力や活用できる経営資源が限られた企業であれば、そうした企業力の差を「個人の工夫や努力で補う力」を身につけることができるかもしれませんね。その意味では、M.Sさんの言う通り、自分に合った「実力を磨きやすい環境」ということがあるということなんでしょうね。
(M.S) そんな気がします。
(高橋) 本日はありがとうございました。新しい職場でも頑張って下さい。

<インタビュー後記>
日本の医薬品業界も、いよいよ来年の4月に藤沢・山之内が合併してアステラス製薬が誕生しますが、今後それほど遠くない時期に、本格的な再編・淘汰の時代がやってくるものと思われます。そうした時代に、内資系メーカーに関しては「20年後も勝ち残れる会社はどこか」と聞かれても、自信を持って答えられる人は誰もいないのではないでしょうか。
すなわち、「どの会社にいれば安心か」という考え方は意味を持たなくなり、「頼れるのは自分の実力だけ」という時代が、すぐそこまで来ているのだと言えます。そうした中では、転職先を選ぶ基準も「安心できる会社」から、「自分が勝ち残れる実力を身につけられる会社」へと、いち早く変えることが必要であり、その場合に重要なのは、今回のM.Sさんのように「自分の強み・持ち味は何か」という点を見極め、それをさらに磨き上げていくことのできる環境のある会社を選ぶということなのだ、ということを今回のM.Sさんのケースは教えてくれたように思います。


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